サイトの名前も、デザインの方向性も、記事の下書きも揃った。あとは実際に形にするだけ――そう思って、コードを扱えるAIツールに作業を引き継いだ。ここからは、キーボードで文章を書く作業ではなく、画面の向こうでプログラムが組み上がっていくのを見守る作業になった。
結論から言うと、一直線には進まなかった。小さくつまずいては直し、を何度も繰り返しながら、ようやく公開までたどり着いた。その過程を記録しておきたい。
何もない状態からのスタートだった
いざ始めてみると、自分のパソコンには、サイトを組み立てるための土台になるソフトすら何一つ入っていなかった。まずはそこから一つずつ導入してもらうところからのスタートだった。
最初のつまずきは、作業用のフォルダをそのまま使おうとしたときに起きた。「このフォルダは空になっていないと新しく作れない」というエラーで止まってしまったのだ。結局、いったん別の場所に新しく作ってから、中身をまるごと今のフォルダに移す、という遠回りをして解決した。
さらに、使っている仕組みのバージョンが新しかったせいで、決まった場所に置くはずの設定ファイルが「古いやり方です」と怒られてしまう場面もあった。置き場所を少しずらしたら、あっさり直った。この手の「新しいバージョンだと勝手が変わっている」というトラブルは、素人が一人で調べていたら一日がかりになっていたと思う。
記事の下書きを、サイトに読み込ませる
用意していた記事の下書きをサイトに読み込ませる段階で、いくつか足りないものが見つかった。検索結果に表示される短い要約文や、公開日の情報を入れ忘れていたのだ。
要約文は、それぞれの記事の中身から新しく書き起こしてもらった。公開日については、最初は「1週間に1本くらいのペースで、少しずつ公開したように見せる」形にしていたが、途中で気が変わった。どうせ全部準備できているのだから、今日、まとめて公開してしまおうと決めた。
これは後から振り返ると、良い判断だったと思う。ちょうどこのタイミングで、「新しく立ち上げたばかりのサイトは、公開のペースを分けても検索での見つかりやすさにはほとんど影響しない」ということも教えてもらった。それより効果があるのは、検索エンジンに向けて「ここにこういうページがありますよ」という一覧表を届け出ることだという。であれば、小出しにする理由はなかった。
記事を書き終えて、初めて「デザイン」の話ができた
骨組みができて、実際にページとして動く状態になったところで、ようやく見た目の相談ができるようになった。
方向性は3つ提案してもらった。
- 寒色系の紙に深い青緑のインクをイメージした案
- 腐葉土のような、こげ茶色を基調にした落ち着いた案
- 温かみのあるオーカー色の紙に、赤土色を差し色にした案
どれも見出しや文字の書体は揃えたまま、地の色とアクセントカラーだけを変える作りにしてもらっていたので、切り替えても崩れる心配がなかった。
実際、一度目に気に入った案を選んだ後、「やっぱりもう一度別の案も見てみたい」と言って戻ってもらったこともあった。色の設定を差し替えるだけで、サイト全体の見た目がすぐに切り替わる仕組みになっていたおかげで、この行ったり来たりにほとんど時間はかからなかった。最終的に選んだのは、温かみのあるオーカー色の案だった。
新しいアカウントと、まだ慣れない画面
サイトを実際にインターネット上に公開する段階になって、また新しい壁にぶつかった。世の中の多くのプログラムが保管されている場所のアカウントを、一つも持っていなかったのだ。
まずはそのアカウント作りから始まり、パソコンとそのアカウントを結びつける認証作業も行った。表示された確認コードをブラウザ側に入力する形の認証だったのだが、一度、こちらの操作が終わっているのに、なかなか「完了しました」という表示が出てこず、「本当にちゃんと押せているのか」と少し不安になる場面があった。結局は、単に反映までに時間差があっただけだった。
Cloudflare自体は、少し前に物販の仕事用サイトを作った際にも触ったことがあり、まったくの初対面というわけではなかった。ただ、その時の記憶があやふやなくらいには使い込めておらず、今回もやはり迷子になった。管理画面に入ったところ、目当ての機能とは違う画面に案内されてしまったのだ。似たような名前の機能が並んでいて、どちらに進めばいいのか、画面を見ただけでは分からなかった。しかも管理画面はすべて英語で表示されており、まだ十分に使いこなせていない身には、言葉の意味からしてすんなり頭に入ってこない。よくよく探してみると、画面の下の方に小さく「こちらではありませんか」という案内リンクがあり、そこから正しい手順に入り直すことができた。
さらにその後も、一度「もう一度お試しください」という原因不明のエラー画面が出た。特に何も変えず、ページを読み込み直してやり直したら、何事もなかったように進んだ。これもおそらく、こちら側の操作ミスではなく、サービス側の一時的な不具合だったのだろう。
必要な設定を入力し、ようやく公開に成功した。取得しておいたドメインも、管理画面から接続した。「反映まで最大48時間かかる場合があります」という表示にひやりとしたが、実際には数分ほどで、もう自分のドメインでサイトが見られるようになっていた。
言葉で説明しなくていい、という発見
この管理画面での迷子っぷりを通じて、一つ大きな発見があった。画面をそのまま撮って渡すだけで、具体的にどこを押せばいいか教えてもらえるということだ。
「似たような名前の機能が並んでいて分からない」という状況を、いざ言葉で説明しようとすると、これが意外と難しい。どこに何が書いてあったかを正確に思い出しながら文章にするだけで一苦労だし、伝えたつもりでも、肝心なボタンの位置や文言が伝わっていなければ意味がない。
それが、今見えている画面をそのまま渡すだけで、次に押すべき場所までピンポイントで教えてもらえる。説明する能力の有無に関係なく、目の前の状況をそのまま共有できるというのは、思っていた以上に助かる発見だった。この一件以降、分からないことがあったらまず画面を撮る、というのが自分の中で癖になった。
検索エンジンへの登録
サイトが公開できたら、次はGoogleの検索に見つけてもらうための手続きに入った。
サイトの持ち主であることを証明する方法がいくつかある中で、今回は「サイトのコードに、決められた1行を埋め込む」という一番シンプルな方法を選んだ。埋め込んで反映させると、無事に持ち主として認められた。
先ほど触れた「ここにこういうページがあります」という一覧表も、このタイミングで提出した。「特定のページだけ急いで見つけてほしい場合の申請方法」もあると聞いたので、とりあえずトップページだけ、その申請もしておいた。
アカウントの使い分けについて
ここで一つ、地味だけれど大事な相談をした。すでに別のブログを運営しているのだが、そちらで使っているメールアドレスとは分けるべきか、という話だ。
結論としては、サイトを保管する場所のアカウントとは無関係に考えてよいが、このサイトに関する広告や検索の管理に使うアカウント同士は揃えておき、既存の別ブログとは分けておく、という方針に落ち着いた。収益の管理がごちゃ混ぜにならないようにするためだ。
拍子抜けした話
以前、お問い合わせフォームの仕組みを用意した際、「テスト送信をした後に届くメールの中のボタンを押さないと、送信内容が届かない」と聞いていた。
いざテスト送信をしてみると、届いたメールには「このメールアドレスはすでに確認済みです」という趣旨の一文があった。待つ必要のあった手続きは、実はとっくに終わっていたのだ。身構えていた分、少し拍子抜けした。
サイトの「顔」を、ひとまず作ってもらった
最後に、ブラウザのタブに表示される小さなアイコンを用意した。何もしなければ、使っている仕組みのロゴがそのまま表示されてしまう。
図案については特に何も伝えず、「ファビコンを作ってほしい」とだけお願いした。すると、見守りを表す緑と、サツマイモを思わせる土色を組み合わせた、二色の葉っぱのような形のものが出てきた。決めた配色にも合わせてあり、小さいサイズでも潰れて見えないかまで確認した上で仕上げてくれていた。出来上がったもの自体に不満はない。
正直に言うと、これは自分で図案を考えて試行錯誤したものではなく、丸ごとお任せして出てきたものを、そのまま設置しただけだ。これまでの記事のように、自分なりに迷ったり悩んだりした過程があるわけではないので、今のところ強い愛着のようなものは湧いていない。
ただ、それでいいとも思っている。このサイト自体が「AIと相談しながら作っていく」というコンセプトである以上、細部まですべて自分の意思で決めなくてもいい場面があってもいいはずだ。今回はひとまずAIに任せた形をそのまま使い、気が向いたら、あるいは愛着が湧かないままだったら、また改めて相談しながら作り直せばいい。そのくらいの気軽さで置いてある。
今のところの結論
こうして振り返ると、つまずいた場所のほとんどは、知っていれば一瞬、知らなければ延々と悩む類のものだった。フォルダが空である必要があること。設定ファイルの置き場所。似た名前の機能が並ぶ管理画面。原因不明のエラーは、とりあえずやり直してみること。
一つひとつは大したことのない話かもしれない。けれど、これを一人で検索しながら解決していたら、もっと時間がかかっていたと思う。分からないことをその都度聞ける相手がいる、というのは、思っていた以上に心強かった。
今は記事がまだ数本しか公開できていない状態なので、広告の申し込みはもう少し記事を書き足してからにする、という方針で落ち着いた。次は、記事をもう少し増やしていく作業に取りかかりたい。